今日クリニックに見学の先生が来られました。新宿で開業されていて大腸内視鏡経験は数千件だそうです。私の本を読んでいて、かなり正確に理解していました。その先生が横行結腸の挿入について聞いてきました。
『私は横行結腸は中央部まで押してダウンアングルで中央部に引っ掛けて、その後空気を抜きながら引いて肝湾曲をアップで越えていますが、間違いですか?』横行結腸は一平面上になく逆αに捻れていることが多いです。横行結腸前半はまっすぐ押して、後半は左回転しながら引いくと捻れが解除されます。その分スコープはまっすぐになり、先端は肝湾曲に届きやすくなります。左に90度回しますのでダウンアングルはレフトアングルに移行します。これをダウンからレフトへのアングルチェンジといいます。このとき肝湾曲はアップではなくライトアングルで越えることになります。水浸法による無痛大腸内視鏡挿入マニュアル p.121
『間違いではありません。横行結腸後半でアングルチェンジをしなくても肝湾曲に届くことはあるかも知れません。ですがアングルチェンジをした方が届く確率は上がります。つまり横行結腸のプル法の成功率を上げるために私は肝湾曲をライトで越えています。』7人全員を無麻酔・無痛で挿入したのを見て「私も水浸法をやってみる」といってポンプを1台買って帰られました。