水浸法による無痛大腸内視鏡挿入マニュアル

~本を読んだ人も読んでいない人も、水浸法の人もそうでない人も~

『水浸法による無痛大腸内視鏡挿入マニュアル』中外医学社より好評発売中。
本はマニュアル本ですので「なぜそうするか?」より「なにをするか?」の方に力点がおかれています。
このブログでは本を補完するため理論的な面を詳しく説明します。

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2022年01月

昨日、メガコロンの人の大腸内視鏡をやりました。
28歳の細身、高身長の男性でした。メガコロンは若い頃大食漢の高齢男性に多く、若い人には珍しいです。
今まで何度もS状結腸軸捻転を起こしていて、今日、大腸切除術を行うので全大腸検査をお願いしますということだった。今まで何度も大腸内視鏡をしてきたが一度も深部挿入できなかったそう。
メガコロンだと思われたので、スコープは太いCFスコープがいいと思われたが、スコープ選択基準に当てはめると細いPCFとなったので、まずPCFスコープで開始しました。メガコロンは空気も水もできるだけ吸引して腸管径を細くしてスコープを短縮しやすくするのがコツですが、SDあたりでフックして短縮を試みるも腸管の硬さに負けて抜けてしまうので10分であきらめてCFスコープに変更しました。CFでもSDで短縮を試みますが、やはり短縮抵抗性が強くもう少しのところで完全に直線にならないので介助者に左下腹部手のひら圧迫をしてもらってライトターン&プルでやっと直線化できました。このときもう入ると思いました。あとはスムーズに結局10分で挿入できました。スコープの長さが足りないから挿入できないのではなく、短縮できないから挿入できないのです。
教訓:メガコロンは短縮が難しい。なるだけ腸管を虚脱させ、太いスコープを使い、左下腹部圧迫も併用する。

水浸法による無痛大腸内視鏡挿入マニュアル p.151

後藤利夫 先生

平素大変お世話になっております、中外医学社の○○でございます。
旧年中は大変お世話になりました。本年も何卒宜しくお願い申し上げます。

さて、『水浸法による無痛大腸内視鏡挿入マニュアル』の動画につきまして、複数の動画が閲覧出来ないとの問い合わせが電子書籍版の読者よりございました。

一部動画はYou Tubeの「制限モード」をオフにすることで視聴可能となりましたが、なお下記の動画が視聴不能の状態になっております。

(動画視聴不能)
MOVIE 18-3 コロンモデルのワンパターンメソッド②
MOVIE 20-1 水浸法ポンプの作り方
MOVIE 26-1 コロンモデルのワンパターンメソッド③
MOVIE 27-2 バイブレーション
MOVIE 27-3 ワンパターンでの直腸挿入
MOVIE 28-4 ワンパターンでのS状結腸の挿入
MOVIE 29-2 ワンパターンでのSD挿入
MOVIE 30-2 脾彎曲のワンパターンメソッド
MOVIE 31-3 横行結腸のワンパターンメソッド
MOVIE 32-3 肝彎曲のスペシャルテクニック、上腹部指先圧迫
MOVIE 32-4 肝彎曲のワンパターンメソッド
MOVIE 35-1 2日目症例1(左下腹部圧迫)
MOVIE 35-2 2日目症例2
MOVIE 36-1 3日目症例1(横行結腸引き上げ)
MOVIE 36-2 3日目症例2(肝彎曲プッシュ法)
MOVIE 36-3 3日目症例3(右上腹部指先圧迫)
MOVIE 37-1 4日目症例1(左下腹部手のひら圧迫)
MOVIE 37-2 4日目症例2(左下腹部手のひら圧迫)
MOVIE 38-1 1回目CFスコープ(先端フックのプル法)
MOVIE 38-2 2回目PCF-Pスコープ(プッシュ法)
MOVIE 38-3 3回目PCFスコープ(通常フックのプル法)
MOVIE 38-4 同一患者のスコープによる挿入法の違い
MOVIE 46-1 S状結腸の癒着の強い例
MOVIE 47-1 前処置不良の若い女性その1【直腸】前処置不良
MOVIE 47-2 前処置不良の若い女性その2【S状結腸】定点固定法
MOVIE 47-3 前処置不良の若い女性その3【SD】プル法からプッシュ法へ
MOVIE 47-4 前処置不良の若い女性その4【脾彎曲】仰臥位から右側臥位へ
MOVIE 47-5 前処置不良の若い女性その5【肝彎曲】横行結腸引き上げ
MOVIE 48-1 癒着のある小柄な高齢女性
MOVIE 51-2 ポリペクトミーの動画②
MOVIE 52-1 ホットバイオプシーの動画
MOVIE 53-1 EMRの動画
MOVIE 54-1 クリッピングの動画

原因がわかりました。
対応しました。


ユーザーからの要望で一部動画に字幕を入れました。
そのときにYouTubeアドレスが変わりました。
ホームページ上はリンクの張り替えで対応できましたが、書籍のQRコードと電子書籍のリンクは昔のままでした。
古い方のYouTube動画は削除せず、非公開に設定してありました。
今回、指摘していただき、限定公開に変更いたしました。
限定公開はリンク指定で開く設定です。YouTube検索では出てきません。
もう、大丈夫だと思います。
YouTube側の設定で一部18歳以上限定に指定されております。
人体の一部、お尻や肛門等が写っているためでしょう。これは仕方ないです。
以上です。
よろしくおねがいします。

後藤
後藤利夫 先生

失礼いたします、中外医学社の○○でございます。
早速ご対応を頂き誠に有難うございました。
こちらでも問題なく視聴できるようになりました。

まずは取り急ぎご返信申し上げます。
引き続きどうぞ宜しくお願い申し上げます。

『”水浸法”による大腸内視鏡検査(2回シリーズ)  2.実践とポリペクトミー』
-2.実践とポリペクトミー-

【セミナー概要】
 水浸法による無麻酔・無痛内視鏡を実践的に理解できるように実際に水浸法を行っているビデオを用いて具体的な解説を加えます。また、クリニックと病院では、観察、ポリペクトミーやクリッピングの考え方が少し違います。クリニックの方がより安全で効果的な方法が求められます。今まで1万人を無事故でポリペクトミーしてきた開業医がクリニックにこそ必要なそれらのテクニックについてビデオを用いて具体的にわかりやすく説明いたします。
 皆さま、奮ってご参加下さい。
1.コロンモデルと人との比較
2.「水浸法」のビデオ解説
    簡単な人の場合、S状結腸が長い人の場合、
    横行結腸が長い人の場合
3.早くて見逃しの少ない観察法
4.安全で効率的なポリペクトミー
5.クリッピングの効果的なかけ方

セミナーNo230
2013年11月10日(日) 10:00~15:00
スタンダード会議室 銀座二丁目店
(東京都中央区銀座二丁目6-15)
■後藤利夫 先生(新宿大腸クリニック 院長)
■分野: 診療・診察技術
■対象: 医師/検査技師


午前 ”水浸法”の理論と実演動画を使った解説(2022年1月2日公開)


午後 ”水浸法”の実演動画を使った解説とポリペクトミー(2022年2月6日公開)

終了したセミナーの報告と開催の模様
■第230回セミナー「”水浸法”による大腸内視鏡検査 2実践とポリペクトミー」は盛会裏に終了しました。
 11月10日(日)に開催しました第230回医療技術セミナー「実地医家のための”水浸法”による大腸内視鏡検査 2.実践とポリペクトミー」は盛会裏に終了しました。
 講師には新宿大腸クリニック 院長の後藤利夫先生をお迎えしましたが、後藤先生は今回で 7回目になりました。昨年2回ずつ企画していただいたのですが、今年は、水浸法とポリペクトミーを組合わせていただき 2回にまとめていただきましたが、今回は9がつ1日に続く、そのシリーズの第二回目です。
 今回のお話の中で、昨年には出ませんでした”水浸法”の歴史が少しだけ語られました。大学病院医局の時期に恩師や先輩たちと工夫され、その後徳洲会に所属され、主にグループ内での教育と研さんのために”門外不出のワザ”的に活用されたので、表?に出ることはなかったものの、ようやく人材もたくさん育ち、余裕?もでてきたところで、一般に公開することにされたようです。テーマは”痛くない”ことと”早く挿入する”ことで、弟子を早くたくさん育てるために患者さん1人1人に合わせたオーダーメイドの技術ではなくて、誰にでも通用するような「ワンパターンメソッド方式」を編み出されたわけです。
 そもそも大腸内視鏡検査といえば、胃カメラもそうでしょうが、ヤワヤワのいくらでも伸びそうな、そして肛門、直腸、S状結腸、そして下方結腸、横行結腸、上向結腸と曲がりくねった大腸の中に、実際は固い内視鏡を突っ込んで検査するわけですが、スムーズに早く挿入することもさることながら、ファイバーの先端に装着されたカメラをいかにスムーズに、自由自在に如意棒のごとく、思った通りに繰り、大腸内壁を観察するか・・・という技術、考えてみればこれは神技としか思えません。ましてや、患者さんの側の心理からすれば、お尻を露出して恥ずかしい、怖い、痛そうだ、事故が起こったらどうしよう・・・との心理・緊張の中で体を固くしているところで、うまく検査しないといけないのですから、尚更ですよね。
 大腸の検査には、これまでair法が採用されてきたようですが、今回の水浸法は、水を大量に入れるのではなくて、ファイバーが通りにくいところ、あるいは見えにくいところで水を1ccずつ注入し検査する・・・(トータルで100~200cc程度;MAX)というモノで、air法の延長線上にあるものです・・・との解説でした。
 でも、見ていてすごいですよ。コロンモデルを使ったベッド上でのトレーニングや両手と指を使った挿入法の身振りでのトレーニング、語り口は淡々としていて大声を出されるわけでもないのですが、やはり一つの技術の開発に人生を賭けてこられた方のオーラを感じました。
  ますますブラッシュアップされて、受講者がどんなところで苦労されているかが分かっておられる講義でした。で、注水ポンプについても注文されて帰られる方がだんだんと増えてきました。 
 この日の講義は、ネット中継でも、スポット視聴が多く、注目を集めている技術であることを実感しました。終了後に講師を囲んで大腸鏡を使っての指導を再現されておられましたが、会場での受講者の一人は、感激して、楽しかった・・との声を残してお帰りになりました。

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