後藤先生
お忙しいところ誠に申し訳ありませんが、またご教示お願いいたします。

1例目は171cm、83kgの肥満男性で、CFでトライしましたが、Sの癒着があるようでループ解除しようとすると痛みが出てストレートにならず、GIFに変更してある程度解除できましたが、完全にSをストレートにするのは無理でした。 また腹部圧迫が困難でしたので腹臥位も試みて なんとか、肝弯曲まではいきましたが、そこでSの屈曲のせいで力が伝わらずギブアップし、ガストロ造影で代用いたしました。アドバイスあればお願いいたします。(画像をクリックすると大きくなります)
20180202S癒着ありGIFで突破するも肝弯曲突破不可能

2例目は、また横行結腸でループを作ってしまい、最小円左回りでループ解除も試みましたが、未熟のせいかうまくできず、最終的にループのままpushで盲腸に到達しました。 このケースについてもアドバイスあればお願いいたします。脾弯曲こえたところで、右下側臥位にして、いつも左回転とプルバックして短縮の努力は試みているのですがうまくできる時とできない時があります。
SDA通過に関しては、軸保持短縮も自分では心がけているのですが、こらえ性に乏しいせいか、時間にも追われてループ短縮法になってしまうことも結構あります。
どうかよろしくお願いいたします。(画像をクリックすると大きくなります)
20180202横行結腸ループ形成し解除不可能


1例目はS状結腸で癒着のため短縮できなかった症例です。GIFに変更後の上段右の写真でもう少しで短縮できそうな感じですが癒着あってこれ以上引くと抜けてしまうのかもしれません。私ならここで、右側臥位のまま、助手に左下腹部手のひら圧迫をしてもらいながら短縮を試みます。SDーJあたりを手のひらで押してもらいながらライトターンショートニングします。GIFスコープは細くて弾性力が弱いので太った人の腸に負けてストレートにしにくいことがあるので、外から補助的な力を与えてまっすぐしやすくします。
左下腹部圧迫のもう一つの用法水浸法による無痛大腸内視鏡挿入マニュアル p.115
それでも抜けるなら、解除できない癒着があると判断します。この場合、ループを作ったまま盲腸まで到達させなければいけません。痛みを少なく入れるにはPCF-PLのような極細のスコープでロングタイプがあれば理想的ですが、そこまで揃えるのは難しいかと思います。
PCF-Pロングについて水浸法による無痛大腸内視鏡挿入マニュアル p.152

2例目は横行結腸でループ解除できなくてループのまま盲腸へ到達した例です。横行結腸中央部を越えたら、引くと前に進みますので左回転を加えながら先端をぶつけずに進むと肝弯曲に着いたときに横行結腸がストレートになり、そのまま肝弯曲をレフトアングルで抜けて盲腸に到達するプル法が理想です。私は横行結腸では90%はプルで入れています。癒着などでどうしてもプルで肝弯曲に届かないときにはプッシュします。プッシュ法は肝弯曲をアップアングルで越えたらすぐにレフトターンショートニングで横行結腸の逆αループを解除します。すなわちまっすぐ引いてループ最小円を作った後、左回し180度します。最初肝弯曲をアップで掛けたときは肝弯曲は急カーブでしっかりフックされますが、この写真のように肝弯曲がきれいなカーブになってしまうと逆にフックがかからないのでループ解除しにくくなります。肝弯曲を越えたら一発で決めて下さい。
横行結腸のプッシュ法水浸法による無痛大腸内視鏡挿入マニュアル p.126

またのご質問お待ちしています!

後藤先生
貴重なアドバイスをありがとうございました。
大変勉強になりました。次のCFトライを楽しみにしています。
今後ともどうかよろしくお願いいたします。