おはようございます。
一昨日久しぶりにギブアップしたケースがありました。
600例で3件目です。

S/Fまではむしろシンプル?と思ったくらいでしたが後半どうがんばってもたわみなく進ませることができませんでした。
しかもお腹がカエルのように出っ張った方で圧迫もまったく効かず。


横行結腸が体型のせいでまっすぐになりにくく、そのせいで先端に力が掛かりにくいので強く押すとSがたわんできます。
このときの横行結腸部分のたわみは「逆α」で、S状結腸部分のたわみは「α」で逆です。
通常は押すときの画面の回転でたわみが作られていることがわかりますが、逆向きのたわみが同時に形成されるとき、画面が回転しないときがあります。
術者はたわみを形成していないと錯覚してしまいます。

両方のたわみができてしまったときはまず脾弯まで戻り、スコープ屈曲部でフックしてSを直線化します。
その後、S状結腸をたわませないように慎重に挿入します。
通常ならSがたわまないように圧迫をきかせたいのですがおなかのせいでそれも上手くいきません。
硬度を固くして、いつもよりオフセット角度を強めに45度くらい斜めに挿入します。(水浸法による無痛大腸内視鏡挿入マニュアル p.117)
S状結腸をたわませずに脾弯曲が通過できたら、あとは横行結腸引き上げをいつもより回数多くしてなんとか横行結腸を直線化します。(水浸法による無痛大腸内視鏡挿入マニュアル p.122)

基本的に、このような人をたわませないで入れるには太くて固いスコープが向いています。
あるなら早めに太いスコープに交換します。
無ければ逆の発想で、細くて長いPCF-Pロングスコープに交換して、ループ覚悟で押し切る手も考えられます。

やせた人はS難しくT簡単、太った人はS簡単でT難しい。(Sを前半、Tを後半と言い換えてもいいです)
太った人は一度たわみ癖が付くとなかなか難しいので、体型を見た瞬間に脾弯曲以降は慎重にやって、一発で決めましょう。