先日、若手を指導していたとき、たまたま患者さんが体格のいい老人男性でややメガコロン気味の人でした。

いつも通りSを直線化して脾弯曲に着いたのですが、そこから進まず、押して痛がらせました。
Sの直線化が不十分で再ループを作ったと考え、ライトターンショートニングによるSのループ解除を指示しましたが、回転不足(本来180度必要ですが90度くらいしかしなかった)もあってできませんでしたので、私に変わりました。

ループ解除は、初めまっすぐ引いてループ最小円を作り、引くのを止めて90度回し、さらに90度回しながら30cm引くのがルーチンです。ところが、その人は回転途中で抜けてきます。
そこで、体位を仰臥位から左側臥位に変えて、全く同じことをしたら、今度は一発でループ解除できました。
見ていた医師は思わず「うわっ」と声を上げました。

ループを解除するためには、いったんスコープの作る円がおなかの中で立ち上がらないといけませんが、その十分な高さがないと途中で抜けてきます。
仰臥位から左側臥位にすることによって、重力によって凹んでいたお腹が前に出るので、高さが確保されループ解除がしやすくなったのです。

スコープの輪の直径が10cmですので、それより狭い間隔の2枚の板で挟むとそのループは解除できません。(2枚の板理論)
『水浸法による無痛大腸内視鏡挿入マニュアル p.56 2枚の板理論』
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ポイント:ループ解除は左側臥位で

本にもちゃんと「患者さんを仰臥位から側臥位にするなども効果的です」と書いてあります。『水浸法による無痛大腸内視鏡挿入マニュアル p.59』

検討.
本症例は最初からずっと硬度0でした。
脾弯曲のところで、硬度を1上げていれば、そもそもループを作らなかったかも知れません。