ワンパターンメソッドでは直腸は左に回します。
このような挿入法は珍しいと思います。
この入れ方は人間でやっていては思いつきません。
コロンモデルで直腸の入れ方を考えられるだけ全部やってみて一番にいいものを採用したまでです。
(そもそもワンパターンメソッドはそのように作りました)

胃カメラでは左を見たいときにレフトアングルを使う人は少ないでしょう。
たぶんレフトローテーションします。
食道がまっすぐなのでレフトローテーションはレフトアングルの代用として使えます。

しかし大腸ではそうはいかないときがあります。
S状結腸ではスコープはαループ気味にたわんでいることがあります。
このとき右に回すのはループ解除方向でいいのですが左に回すのはループを作ることになるので禁忌です。
もし襞が左に行くように見えたらレフトアングルを使いますがレフトローテーションはしません。

すなわちスコープの途中のねじれに配慮しなければ行けないので安易にローテーションしては行けないのです。
ところが直腸だけは別です。入れたばかりでなじれなどなく直線ですのでどうまわしても構いません。

直腸は左右アングルだけでも、上下アングルだけも、アップアングルに右ローテーションでも、左ローテーションでも入ります。
コロンモデル実験で操作が単純でもっともはやくスムーズなレフトローテーション法をワンパターンメソッドで採用しました。

こんな理由は知らなくても直腸は左に回して入れると簡単です。

直腸で左に回しておくと後にS状結腸を右に進むのにためができて無理な体勢にならなくて済むという利点もあります。水浸法による無痛大腸内視鏡挿入マニュアル p.103