メールでご質問が来ましたのでお答えします。水浸法による無痛大腸内視鏡挿入マニュアル p.107
Q.今、「無痛大腸内視鏡内視鏡マニュアル」を拝読させて頂いていますが、ご質問させて頂いてもよろしいでしょうか?
107ページの「Sの早期短縮の一番多いパターンは左に行く襞をレフトアングルで先端フックして引くと右回転するのでスコープもライトローテーションします。左手10時半で画面が右方向に来たら引くのをやめてライトアングルで超えます。」についてですが、
Q1.自分が試してみますと、逆αや癒着のない通常の方でも、左に行く襞をレフトアングルで先端フックして引いた場合、次必ず右回転するわけではなく、左回転することもありますが、何かやり方にコツがあるのでしょうか?
Q2.例えば、左の襞が真左の9時にある場合、フックする位置は、襞の真ん中、上端、下端のどのあたりを狙えばよろしいのいでしょうか?上端なら左回転がかかりますが、下端の場合、右回転がかかる印象がありますが、このあたり如何でしょうか?
Q3.左の襞が、左上(10~11時)、左下(7~8時)に出てきた場合のフックの仕方(襞の真ん中、上端、下端)は、真左(9時)にでてきた場合と比較して違いはあるのでしょうか?
Sで出現する左の襞の対処法は、非常に大切と認識しています。是非、ご教示頂けますと幸甚です。
A.短縮はあくまで定点固定でやります。 一番多いパターンを一例として書いたまでです。 このような腸管が画面上どっちに見えるかは今まで多く議論されてきましたが、腸管が少しでも捻れると如何ようにも見えることですのであまりあてにしない方がいいです。 一番簡単な人では見え方にこのようなパターンがありますが、腸が少し長いとそんなパターンはあまり通用しません。
若い男性に多いSが短い人では、直腸からSに入ったらすぐに左に行く襞をレフトアングルで引くと右に回りますので襞が真右になるまで右回転し、真右に見える襞をライトアングルで抜けます。このときだいたい左手10時半になっていれば、先端は9時ですのでS前半で短縮が完了しています(早期短縮)。あとはアコーディオンが折り畳まれたように圧縮されたS後半を左右にかき分けるとすぐSDに届きます。このような人はワンパターンメソッドではトータルは2~3分で入る簡単な人です。
腸が長い人やはじめからねじれがある人は、襞に先端をあてて短縮するときに右回しか左回しかは定点固定で決めます。
Q1.自分が試してみますと、逆αや癒着のない通常の方でも、左に行く襞をレフトアングルで先端フックして引いた場合、次必ず右回転するわけではなく、左回転することもありますが、何かやり方にコツがあるのでしょうか?
A1.腸が長い人はSで直腸から離れた所ではねじれが出てきてそのようなことがおきるかも知れません。Sがループまでは行かなくても逆α気味のねじれを作ったときは短縮時に左回転しますので。また、押すときにまっすぐ押さないで右にトルクをかけながら押すと逆αのねじれを生じやすいです。
Q2.例えば、左の襞が真左の9時にある場合、フックする位置は、襞の真ん中、上端、下端のどのあたりを狙えばよろしいのいでしょうか?上端なら左回転がかかりますが、下端の場合、右回転がかかる印象がありますが、このあたり如何でしょうか?
A2.真ん中(9時)でいいですが、回らないときには8時や7時で回ることがあります。もう少し(1cmくらい)進んでから引くと回ることもあります。
Q3:左の襞が、左上(10~11時)、左下(7~8時)に出てきた場合のフックの仕方(襞の真ん中、上端、下端)は、真左(9時)にでてきた場合と比較して違いはあるのでしょうか?
A3.左の襞が、左上(10~11時)や左下(7~8時)に出てきた場合、ローテーションして真左(9時)に調節します。左手7時半から左手10時半というのはあくまで目安であり少しずれても構いません。あくまで画面が真左から真右になるように回します。
コメント