胃カメラスコープで大腸内視鏡ができるというとみんな驚きます。最初、なぜ驚くのかわかりませんでした。コロンモデルを胃カメラで挿入する練習をしていれば人間でもコロンモデルと同様に挿入できますし、いつもプル法で挿入していれば、体内にスコープが初めて80cm入ったときは盲腸なので長さが足りなくなどならないからです。

S状結腸の癒着が強くて他院で入らなかった人なども胃カメラを使えば無痛で盲腸まで挿入できます。全周性の腫瘍の人も狭窄がある人も胃カメラスコープならたいてい入っていきます。最近はPCF-Pなど胃カメラ並に細いスコープも出てきたので胃カメラの出番は少なくなりましたが・・・。

あとで知ったのですが、スコープ長が足りなくなるのは、プル法と言ってもS状結腸だけプル法で横行結腸はプッシュ法をしているから入らないのです。横行結腸もプル法でやればスコープは胃カメラの長さで十分なのです。

注)「プル法」は軸保持短縮法、ストレート法、ノンループ法ともいわれ、「プッシュ法」はループ法、ライトターンショートニング法ともいわれます。