胃カメラのプロトコル
胃カメラではなるべく麻酔に誘導してください。セルシン、ドルミカム等の鎮静剤による半覚醒と違い、プロポフォールは麻酔薬による麻酔下内視鏡です。意識はありません。その分、呼吸管理が大切になります。その患者さんの最適量まで追加しますので、追加しやすいベンフロン注射針が便利です。卵、大豆アレルギーには使えません。麻酔前にピロリ歴を確認してください。酸素飽和度モニターと酸素、カニューラ、アンビューバッグ、挿管キットを用意してください。
ルーチンに80歳以上2ml、70歳以上80歳未満3ml、70歳未満5mlを静注します。その後は医師の指示により1mlずつ追加します。5mlのシリンジに分けて予め用意しておいてください。意識がないため唾液を外に出すことができませんので、頭を下げる姿勢を取らせます。また、挿入時は顎挙上します。検査前半は舌根が落ちやすく酸素飽和度が下がります。90未満で①呼吸確認し「自発あります」と報告、②顎挙上、③医師の指示により酸素投与します。半減時間は5分ですので検査後半は覚醒してきますので体動があれば医師に「体動あります」と報告、医師の指示により追加します。
理想の体位:左足は伸ばし、右足は折り曲げるSIMS体位。お尻は後ろ頭は前のsniffing position(花の匂いを嗅ぐ姿勢)。枕は肩幅より低く(head down)、肩を入れ(うつ伏せ気味)ます。すべて唾液を外に出しやすくするためです。また挿入時は顎は挙上します。これにより口腔内にスペースができ、コンタクトせずに正中から進入でき、経口で経鼻よりラクに挿入できます。
大腸内視鏡のプロトコル
水浸法なら麻酔を使わなくても痛いというのは5%未満です。大腸内視鏡ではなるべく無麻酔に誘導してください。ベンフロンを入れておけば痛かったらすぐに麻酔を使うという方法も可能です。アタッチメント、ポンプとぬるま湯を用意してください。検査と同時にタイマーを入れます。途中で体位変換を一度、腹部圧迫を一度行います。仰臥位では左足の滑り止めがあると便利です。抜去時はいつでもホットバイオプシー、ポリペクトミー、EMRができるようにしておきます。ポリペク時の高周波の出力は高周波の機種の違いを吸収するっため赤、黄、青の色で指示します。クリップは必ず使いますのでスネアーと同時に用意してください。
理想の体位:側臥位では患者をなるべくベッドの術者よりに寄せ、足は椅子に座るように直角に揃えます。つまり「お尻は後ろ、足は前」となります。患者さんは術者寄りにいることで、術者の疲れを軽減します。また中央にいると落下防止に2人が必要ですが、寄せることで落下側は限定され1人で大丈夫です。