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水浸法のテキストでは直腸~Sまでがとてもシンプルに書かれていますが、私にとっては一番悩ましい部位であります。
「直腸をぐるぐると回って越える」というのがなかなか実践できず、左→右→左とターンして越えています。多くの他の教本では「直腸の突き当たりで反転してRaの襞をUpで越える」という、コロンモデルではS頂部で行う動作が記述されていますが、ワンパターンメソッドではRa(直腸仙骨曲の急峻なカーブ)はどのように越えていけばよいのでしょうか?
コロンモデルとヒトは同じと強調されていますが、コロンモデル(指内視鏡)のワンパターンメソッド(p69)と部位別ワンパターンメソッド(p129)では特に直腸~SDの処理が異なるのはなぜでしょうか。特にS頂部の処理で、コロンモデルでは「S頂部は上に見えるのでUpアングルで越える」、部位別では「(左手?)9時あたりで左方向にS頂部がみえるのでLアングルで引く」となっているのはなぜでしょうか?
コロンモデルでは古典的プル法、部位別では早期短縮法を採用しているからでしょうか?
質問1.
直腸の挿入法を教えて下さい。
回答1.
質問の先生の入れ方:左→右→左とターンして越えています。
多くの他の教本:「直腸の突き当たりで反転してRaの襞をUpで越える」
水浸法:「直腸をぐるぐると回って越える」
コロンモデル(指内視鏡)のワンパターンメソッドには直腸は「左手を左に6時まで回すと先端は1周するのでその間に少し押して直腸を越える」(p.69)
部位別ワンパターンメソッドには②直腸「12時からレフトターンレフトアングルで⑦時半まで持ってくる」(p.129)とほぼ同じことが書かれています。
1枚目の扉(Rb)が下から出ていて、2枚目の扉(Ra)が上から出ているスキマをスコープがくぐる時、全く回転しないで上下アングルを使うか、90°倒してで左右アングルで越えるのが旧来のやり方でした。
私のやり方はアングルは動かさないで先端が360°の左ローテーションだけで2つのひだを越えます。
先端が360°の左ローテーションは2倍進角の法則(p.42)より手元は180°の左ローテーションです。
言うと凄くシンプルなのですができないのにはわけがあります。
先端360°ローテーションができないからです。
そのためにベッド上でローテーション操作のトレーニング(p.47)をやって下さい。
質問2.
S頂部の処理で、コロンモデルでは「S頂部は上に見えるのでUpアングルで越える」、部位別では「(左手?)9時あたりで左方向にS頂部がみえるのでLアングルで引く」となっているのはなぜでしょうか?
コロンモデルでは古典的プル法、部位別では早期短縮法を採用しているからでしょうか?
回答2.
そのとおりです。
コロンモデルと指内視鏡ではS頂部は少し押して越えてから引き始めます(=コロンモデルでは古典的プル法)が、人でやるときはS頂部を意識せずS前半から引いて短縮します(=部位別では早期短縮法を採用)ので少し違います。
コロンモデルは空気モデルで早期短縮しようとしても元に戻ろうとする力がかかるのでしっかりS頂部を越えてからフックして引きます。
S後半で左手9時から10時半右ローテーションしていきます。
人で水浸法で早期短縮するとどこがS頂部かははっきしりない分、S前半から右ローテーションが始まりますが、結局左手10時半あたりでSDを越えます。
本を精読していただきありがとうございます。
直腸のこの挿入法は私のオリジナルで操作がシンプルですのでコロンモデルでやると秒で挿入できます。
人でもコロンモデルと同様に挿入できましたのでワンパターンメソッドに採用いたしました。
従来の方法と全く違うため最初はコロンモデルを使っての練習をおすすめします。
操作の原理の理解の助けになります。
後藤先生
早速のご返事ありがとうございます!
ベッド上でローテーション操作のトレーニング(p.47)を頑張ってみます!
巻末にあった「水浸法は家庭医や一般医、開業医にも最適」という先生のお言葉でまた大腸内視鏡を頑張ってみるつもりになりました。
ぜひとも水浸法をマスターしていきたいと思います。
ありがとうございました。
後藤先生
追加の解説ありがとうござます!
なるほどと納得いたしました!
水浸法は左手の位置でスコープ先端の角度が予想でき、どんな大腸にも同じアプローチで臨める優れた技法だと思います。何としてもマスターしたいと思います。
明日からまた頑張ってみます
本当にありがとうございました
もしかして✕✕先生は本など書かれているあの✕✕先生ですか?
後藤先生 御侍史
ご連絡ありがとうございます。
私はもとは消化器内科でしたが、人事異動で総合診療科に配属となり、その頃お恥ずかしながらいくつか本を書く機会を頂きました
(診断力や、救急・総合診療関係の本)。
今勤務している病院では大腸内視鏡の需要が多く、久しぶりに 現役復帰となり、一から勉強しなおしています。
私が昔教わった方法は「αループで入れてSFでフック、ループ解除」がメインで今とは隔世の感があります。
しかし、最近の指南書はどれもパターン分類が複雑で多岐にわたり、著者によっては正反対のことが書かれたりして途方にくれていました。
そんな時にたまたま先生の動画を視聴し、正に目から鱗が落ちる思いでした。
今はテキストと動画でイメージトレーニング、コロンモデルで練習を重ね、消化器内科の同僚に立ち会ってもらいながら少しずつ実践しております。
まだ自分のなかでコロンモデルと人(水浸法)との橋渡しがうまくできておらず、いずれまたご相談させて頂くかもしれません。
今後ともよろしくお願い申し上げます。
先生のコロンモデルの模範動画、1/4速度で繰り返し拝見しております。
何度拝見しても新しい発見があり勉強になります。
これからも日々水浸法を勉強させていただきます。ありがとうございました。
「水浸法による無痛大腸内視鏡挿入マニュアル」中古本も高価になってしまいましたが、電子版もありますので購入希望者はそちらをご利用下さい。
また、質問があればいつでもどうぞ~