水浸法による無痛大腸内視鏡挿入マニュアル

~本を読んだ人も読んでいない人も、水浸法の人もそうでない人も~

『水浸法による無痛大腸内視鏡挿入マニュアル』中外医学社より好評発売中。
本はマニュアル本ですので「なぜそうするか?」より「なにをするか?」の方に力点がおかれています。
このブログでは本を補完するため理論的な面を詳しく説明します。

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カテゴリ: 理論解説

スキルアップ代表轟豊語さんのご厚意により2018年10月7・8日と11月3・4日に行った水浸法の伝説のスキルアップ講演の動画がそのままYouTubeプレミア配信で2019年10月13・14日と11月3・4日に公開されました。

『水浸法による無痛内視鏡挿入マニュアル』の著者自身が本をテキストにして4回に分けて全ページの完全解説をします。特に本の動画解説に力を入れます。また今回初めての試みとして毎回午後の部は会場に内視鏡機械一式を持ち込んでコロンモデルを用いた実演と実技指導を行いますので、今まで以上に実践的な講演になると思います。

この講演は大腸内視鏡をこれから始めようという方、送気法はやっているが水浸法に興味のある方、より苦痛のない挿入法に関心のある方、本を読んだがよくわからない方、動画の説明が分からなかった方などを対象としています。

テキストとして『水浸法による無痛内視鏡挿入マニュアル』(中外医学社)を使用します。
こちらからお買い求め下さい。
受講者の感想
先日は、4回にわたり詳細な大腸内視鏡のご講義頂きありがとうございました。
先生の挿入法は、理論的でかつ少なくとも現時点では、一番確実と思いました。
すべてを開示する、“師の握りこぶしはない”姿勢にも感銘いたしました。

  <<第1回>>

10月13日 13:00~15:00 『STEP1理論編』の完全解説
 →YouTubeプレミア配信



10月13日 16:00~18:00 コロンモデルを用いた実演と実技指導①
 →YouTubeプレミア配信



  <<第2回>>

10月14日 10:00~12:00 『STEP2トレーニング編』の完全解説
 →YouTubeプレミア配信



10月14日 13:00~15:00 コロンモデルを用いた実演と実技指導②
 →YouTubeプレミア配信



  <<第3回>>

11月3日 13:00~15:00 『STEP3実践編』の完全解説
 →YouTubeプレミア配信



11月3日 16:00~18:00 コロンモデルによる挿入デモンストレーション
 →YouTubeプレミア配信



  <<第4回>>

11月4日 10:00~12:00 『STEP4挿入困難の解決』『STEP5ポリペクトミー』の完全解説、追加公演『画期的!大評判!下剤を飲まない大腸内視鏡の前処置法、モビプレップ注入法の全テクニック教えます』
 →YouTubeプレミア配信



11月4日 13:00~15:00 人による挿入デモンストレーション ②
 →YouTubeプレミア配信

この動画は2019/07/14に中国の山東大学付属病院で「無痛大腸内視鏡、水浸法」の講演を行った時に撮影されました。
中国の病院は、上から3級、2級、1級に分けられ、さらに3級は甲、乙、丙に分けられます。
山東大学付属病院は、中国に28個しかない3甲病院の一つです。









这段视频于19/14/2019在中国山东大学医院拍摄,在那里他做了一个关于“无痛结肠镜检查,水浸法”的讲座。


https://v.youku.com/v_show/id_XNDMwMzMyNjQ3Mg


https://v.youku.com/v_show/id_XNDMwMzMzMDM5Mg


https://v.youku.com/v_show/id_XNDMwMzMzMjMwNA


https://v.youku.com/v_show/id_XNDMwMzMzMzQwOA


https://v.youku.com/v_show/id_XNDMwMzMzNDQ4MA

私の病院での平均挿入時間は4~5分です。
一般に入院患者は前処置不良が多く、病院での検査はクリニックより1分程度遅くなります。
数年以上、数千件以上のベテランの他の水浸法の先生方の挿入時間を見ていると、2つのグループに分かれるようです。
グループ1はほぼ私と同じ4~5分で、グループ2はその1.5倍の約7~8分です。

同じ水浸法でどちらもワンパターンメソッド挿入なのにグループ1とグループ2の違いどうしてできるのでしょうか?
器用な人がグループ1に多いということもありません。
ときどきコロンモデルを練習して、キャリブレーションし、オリジナルのワンパターンメソッドを忠実に守る人がグループ1に多い気がしますが、それも決定的ではありません。

私の気づいた一番の違いは、水の量です。
グループ2の人は入れる水の量が多かったり、また空気があってもちゃんと吸引しなかったり、または送気している人もいます。これでは腸管がきちんと虚脱(collapse)しません。
水の量が多いほど、管腔(rumen)の方向(orientation)は見つけやすく、簡単な例はその分早く挿入できますが、虚脱していなので短縮が難しくなり(短縮抵抗性)、難しい例では却って遅くなります。
2分を1分にすることよりも、10分以上の遅延例を減らす(いわゆる「はまらない」)ほうが平均挿入時間は早くなります。私を含めてグループ1の人の10分以上の遅延例は約3%と少ないです。

したがってベテランなのに7~8分かかる水浸法の人は、水の量を減らすようにして下さい。
入れる水の量は少なければ少ないほど良いのですから、もとからあるすべての空気と多すぎる水をできるだけ吸引し、検査前の腸管よりさらに虚脱した状態にします。
水浸法(水を少量入れるが空気や多すぎる水を吸引する)は無送気法の一種ですが、オリジナルの無送気法(水も空気も入れないが吸引もしない)よりさらに腸管が虚脱していることに留意してください。

水浸法による無痛大腸内視鏡挿入マニュアル p.5 p.11

私の検査を見学してよく「困難症例をどうやるのか見たいです」と言われなす。
でも、お見せできおるようなものはとくにありません。
私はいつも普通の挿入の症例を見て欲しいと思っています。

挿入困難例は実は間違った挿入の結果、自分が作ったものだと思うからです。
不用意に押したり、送気をしすぎるから短縮不能のループを作り、一旦ループを作るとループ癖が付いて少し押しただけでループ再形成を起こします。

簡単な症例にコツがあるのです。
誰もが入る症例でいかに押しの要素を無くするかを突き詰めることが大事ななのであって、押しまくってループを作って解除できない状態でいかに挿入するかが挿入法ではないのです。
そのような状態をいかに作らないかが挿入法なのです。
プッシュしてどうしようもなくなった状態でどのように挿入するかを究明することではなく、そのような状態にどうやったらならないかを究明することが真の挿入法だと思います。

合併症を良く起こす外科医が合併症の対応の本を書いたら合併症の権威になったという笑い話があります。
本当に良い外科医は合併症を起こさない医師です。

本当に良い内視鏡医は挿入困難(挿入時間10分以上のはまった例)にならない医師です。
挿入困難に強くなるより、挿入困難などに陥らないように平素気を付けるべきです。
つまり、簡単な症例を丁寧に挿入し、腸管を伸ばさないように平素から慎重に挿入することに尽きます。
一旦伸ばしてしまうと伸び癖が付いて挿入困難になりがちだからです。

私は、実は挿入困難の対処法は良く知らないです。それは挿入困難になった経験が少ないからです。

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